「デジカメ?今どきの若い子はスマホで充分だろ…」
そう呟いたのは、47歳・無職・アル中歴5年のタカシ。昼間っから焼酎をあおってはソファで転がり、娘のミホ(17歳)とはろくに目も合わせない日々。だが、ふと見たテレビの特集で耳にした。
「いま、Z世代の間で“レトロデジカメ”が大ブーム!昔の写りが新鮮らしいですよ〜」
その瞬間、久しぶりにタカシの中の何かが動いた。
「ミホが…好きそうだな。喜ぶかな…」
酔いが回る手でスマホを開き、楽天市場で「中古 デジカメ レトロ 人気」と検索。レビューが★4.6のCanonの古いコンデジを購入した。
数日後、届いた包みを無造作にミホの机の上に置いた。
「なにこれ……えっ、パパが?」
驚いた顔。いや、ほんの少し、笑ってる。シャッターを押して、「カシャ」という軽い音が部屋に響いた瞬間、タカシの胸の奥で何かが外れた。
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「…ミホ、あのさ。俺、酒、やめてみようと思う」
次の週、タカシは病院のアルコール外来へ。その足でハローワークにも寄った。履歴書は震える手で何度も書き直した。
半年後。工場勤務として再就職。給料は少ないけど、毎月ミホのプリント代を渡している。
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週末、家族3人で出かけた公園で、ミホがまた「カシャ」と一枚撮った。
「はい、パパも入って」
「え、俺か?髪ボサボサだぞ」
「それがレトロっぽくていいの。味ってやつ」
シャッター音がまたひとつ、家族の記録を刻んだ。
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エピローグ:楽天市場のレビュー欄には「娘が笑ってくれた!ありがとう!」という、やたら感情が詰まった★5レビューが追加されたという。
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