# 🩸金曜妄想ホラー短編集
## 第1話『血まみれのレッドブル』
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> その翼は、本当に希望を授けてくれるのだろうか──?
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あの日、俺はひどく疲れていた。
徹夜続きの残業、終わらないタスク、目の下にできたクマはもはや勲章だ。
俺は自販機の前で立ち尽くし、ふと手を伸ばした。
**レッドブル。**
いつもより、缶が赤黒く見えた。
“限定パッケージか何かだろ”と、深く考えずに購入ボタンを押す。
> 「翼を…授けてくれよな」
缶を開け、ぐいっと喉に流し込む。
……鉄の味がした。
──気がつくと、俺は**高層ビルの屋上**に立っていた。
背後から声がする。
「ようこそ、こちら側へ」
振り返ると、羽の生えた人間たちが立っていた。だが、彼らの羽は白くはなかった。
**赤黒く、濡れていた。血で。**
> 「お前も、飛べるよ。翼、授かっただろ?」
誰かが俺の背中を指差す。
見れば、俺の背にも同じような翼があった。
筋肉を突き破るように生えた骨。
羽根はボロボロで、赤い液体が滴っていた。
> 「さあ、飛ぼう。落ちたって、ここじゃ痛くないから」
誰かが笑う。
誰かが飛び降りる。
誰かが血を撒き散らして舞い上がる。
俺も、俺も──
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「お客様…大丈夫ですか?」
コンビニの店員が、俺を揺り起こしていた。
冷たい床。手には開けかけのレッドブル。
口の中には、まだ鉄の味が残っていた。
俺は立ち上がり、商品棚に目をやる。
──そこには、赤黒い限定缶などなかった。
レッドブルは、いつもの**青と銀のデザイン**のままだ。
ただひとつだけ違ったのは。
> **自分の背中が、やけに重たく感じることだった。**
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### 🥤登場アイテム
#### ▶ レッドブル(Red Bull)
過酷な毎日に“翼”を授けてくれる定番エナジードリンク。
だが、翼の形は……飲む人次第かもしれない。
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📅 次回の更新は **7月18日(金)**
次の妄想は、「あなたの喉の渇き」に忍び寄ります──
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