第1話:2本の歯ブラシスタンド
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📺ナレーション風・冒頭(マッチョタモリ声で再生推奨)
> 歯ブラシが、2本並んでいる。
それは、ありふれた日常の風景。
だが、**“昨日までは1本だった”**としたら——
それは、あなたの妄想か、記憶の改ざんか。
あるいは、ほんの少しだけ、現実がズレたのかもしれません。
---本編
「……あれ?」
朝。洗面所で歯を磨こうとした私は、違和感に立ち止まった。
歯ブラシが、2本ある。
1本はいつもの、白いやつ。私の。
その隣に、見慣れない黒い歯ブラシが——まるで当然のように、並んでいた。
コップの中でぴたりと立ち、先端はわずかに濡れている。
誰か、使ったあとだ。
寝室をのぞく。誰もいない。
だけど、ベッドは乱れていた。シーツの皺が、誰かの温もりを示している。
「……あれ、同棲、してたっけ?」
そう呟いた声は、自分のものなのに、他人のようだった。
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台所には、ふたつのマグカップ。
リビングには、脱ぎっぱなしのスリッパが2足。
お風呂場のタオルは2枚干してあって、
冷蔵庫には「牛乳きらしそうだよー」の付箋が貼られている。
全部、誰かと一緒に暮らしているような“痕跡”。
でもその「誰か」の顔が、どうしても思い出せない。
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いや、違う。
“知らない”けど、“知ってる気がする”。
笑いジワがあって、左利きで、
「洗濯物は外干し派」とか言ってた気がする——。
その人の匂いが、白いシャツに残ってる。
その人の声が、どこかで響いていた気がする。
けど、それ以上は出てこない。
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私はゆっくり、黒い歯ブラシを手に取った。
それをコップに戻して、
鏡の中の自分に向かって、笑ってみた。
「……うん。今週も、妄想が調子いいな」
そしてまた、いつもの朝が始まる。
歯ブラシが2本ある、私のひとり暮らしの朝が。
📺ナレーション風・締め
> それは、孤独な妄想か。
それとも、すでに入り込んだ“別の現実”なのか。
……次にあなたが歯を磨くとき、
歯ブラシが1本だけであるとは、限りません。
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📦 登場アイテム:
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自立型・ミニマルデザインで妄想生活をリアルに支える相棒
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